稽古とは・・・

「稽古とは 一より習ひ 十を知り 十よりかへる もとのその一」

余りにも有名な千利休の言葉。
けだし、名言ですねぇ。深い

稽古は、一から始まって十まで到達したとしても、
それで簡単に身につくものではない。
再び初めの一に戻り、また改めてニ、三、四と進むことで、
更に理解が深まり、道を極めることができる。
かの利休はそのように説いているのですが・・・。

確かに・・何事も初めて習う時は、
その手順を覚えるだけで精一杯。
でも、十から戻って再び一を習うことで、
その手順がなぜ必要なのか納得ができたり、
心のどこかでひっかかっていたことが、
すっと霧が晴れるように解消されたり。

例えば着付けのお稽古でも同じ。
火曜日の夜にお稽古に見えているKさん、
土曜日の午後からお稽古に見えているSさん、
実は、お二人ともかなりの着物通でらっしゃいます。
かつて後ろ姿結びの着付教室にも通われていて、
すでにご自身で着物もお召になるのですが、
着姿にこだわって、もっと楽に美しく着物を着たいと、
当教室のお稽古に見えています。

茶道ほどではありませんが、
着付けにも数々の手順や、細かな手の動きがあります。
美しく着るための意味が、そこにはちゃんとあるんですね。

もちろん、そんな手順にこだわらなくても、
それなりに着物を着ることはできます。
でも結果、着付けもそれなりなものになってしまいます・・・

お稽古では、ただ着付の手順を覚えていただくのではなく、
なぜそうするのか、その理由もご説明させていただいています。
頭で納得できると、手順を体得するスピードが断然違うんです

Kさん、Sさんは、すでに十をご存知ですが、
「十よりかへる もとのその一」の気持ちで、
さらに美しい着姿を目指してくださいね。
と同時に私も、「十よりかへる もとのその一」の気持ちで、
ご指導させていただく所存でおりますです。


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着崩れ対策

今日は着崩れ対策について。

着物を着た段階では、バッチリだったはずなのに・・
時間の経過とともに、あるいは、あちこち動き回っている間に、
気づいたら着崩れていたなんてことはありませんか。

ですが、それは当たり前のことです
着物を着た芸能人が、動かないことを前提とした着付で、
着崩れないようにキツキツに締め付けて
まるでお人形さんのように、
チンと椅子に座ってテレビ出演している分には、
着崩れなどするはずもないでしょう。

ですが、私たちはたいてい、着物を着て動きます。
着崩れはつきものと思って間違いありません。

例えばある日の私。今日は講師研修。
大きな玉足つきゴロゴロ鞄(で通じます?)には、
袋帯2本、振袖用の着付け道具も入っています。
重い鞄を引きずりながら坂道を下り、駅まで歩く。
そして、その重い鞄をヨイショと持ち上げて駅の階段を上り、また下りて。
電車に乗れば、座るところもなくて。
人ごみにもまれて、やっと現地到着。
鏡を見れば、重い鞄の上げ下げで、脇は少し弛み気味。
人に押されれば、帯も歪みましょう。

ある日は、お茶のお稽古。
袱紗、古袱紗、懐紙を胸元に突っ込みます。
そう、突っ込むという表現がぴったり。
着付の段階ではピッシリ合わせた胸元ですから。
お点前の最中は、座ったままの状態で、
何度もにじって、右に左に身体の向きを替えます。
と同時に、何度も立ったり座ったり、
頭も下げたり上げたりを繰り返します。
否応なしに、胸元、着物の裾は乱れ気味。

こんな風に、動けば着崩れるのは当たり前。
でも、着崩れたら、直せば良いのです。
これだけで、ずっと綺麗でいられます

でも、着崩れの直し方を知らなければ
だらしなく着崩れたままです
ここが大きな違い、着姿の差となって表れるんですね。

脇がたるんできたら、背中のシワを取り、
前脇の弛みは後ろに倒して、上下の弛みは帯の中に。
その時、帯揚げを結び直しても良いでしょう。

上前の衿が開いてしまったら、おはしょりを軽く引いて直します。
裾が開き気味になっていたら、衿先を定位置に戻して引き締める。
下前が落ちていたら、左身八つ口から下前の衽あたりを引き上げる。
着つける段階で、着崩れが簡単に直せるようにしておくのがコツです。

もちろん、着付の段階で、
着崩れしない着付を心がけることも大切なことですよね

後ろ衿がかぶさってくるのは、抜き衿が足りないか、
あるいは、長襦袢、着物の衿を前に引きすぎたから。
襟を合わせるときは、前に引っ張りすぎないことがコツですね。

お太鼓にシワができたり、垂れが跳ね上がるのは、
お尻から腰の窪みにかけての補正が足りないから。
お太鼓の形は後ろ姿の見せ所。
窪みを補整すれば、お太鼓も美しく整います。

着付た段階で裾すぼまりでなければ、
時間がたてばスカート状態に。
下前はシッカリ上げておきましょう。
やみくもに引っ張り上げると、シワができて上前にひびきます。
教室ではどの位置からどのくらい上げると良いかもご指導しています。

衿のシワは半襟を付けた段階で歪みがあったり、
あるいは、着物と長襦袢の衿幅が合わない場合も、
シワが出やすくなりますから、着る前に要チェックです。

着付ができるということは、
着崩れを直す方法も知っているということ。
ぜひ、皆さんも着崩れを恐れず、
「崩れたら直す」で、着物を気軽に楽しんでぐたさいね。





訪問着と付下げの違い

先日、生徒さんから、
「訪問着」と「付下げ」の違いについて質問がありました。

訪問着も付下げも、袋帯で二重太鼓を結べば、
礼装用の着物として、結婚式や披露宴、
また、柄によっては改まったお茶席や、
入・卒業式などで活躍する重宝な着物です。

どちらも、似たようなシチュエーションで着るのですが、
どのような違いがあるのでしょうか・・。
まず、見た目の違いから。

訪問着は、柄付けが絵羽模様になっています。
絵羽模様というのは、着物を広げた時に、
裾模様がずーっと繋がっていて、
一枚の絵のように描かれているのが特徴です。

付下げは、着た時に模様がすべて上を向くように描れていて、
訪問着よりもシンプルであっさりとした柄付けとなります。
裾模様は繋がっていないものが一般的です。

ですが最近では、絵羽模様でありながらシンプルな柄の訪問着や、
逆にとても豪華な裾模様の付下げなどもあり、
パッと見ただけでは、それが訪問着なのか付下げなのか
なかなか判断がつきにくいことがあります。
そんな時の見分ける一つの手がかりになるのが「八掛」です

訪問着は、もともと「仮絵羽仕立て」といって、
着物の形に仮仕立てした状態で販売されています。
訪問着を購入するときには、実際に羽織ってみて、
どんな裾模様なのか、胸や肩にどんな柄が施されているのか、
着装した状態を目で確認して買うことができるのです。
この仮絵羽仕立てになっていれば、それは間違いなく訪問着です。
そしてたいてい、表生地と同じ生地の「共八掛」が付いています。

一方、付下げは反物の状態で販売されています。
どのような裾模様になるのかは、反物の柄を見て判断します。
もちろん、共八掛はついていません。
八掛は別途購入することになるので、
色目や素材は、表生地とは違うものになります。

「訪問着」と「付下げ」は、こんな風に
販売の状態、制作過程がまったく違うんですね。
訪問着は反物から仮絵羽仕立てにする分、
付下げより工程が増えますので、
やはり手間暇かかる分、高価になるのもうなづけますね




究極のチラリズム

先日、スポーツ選手の方たちの美しい着物姿をご紹介しましたが、
普段どんなに活発な女性でも、ひとたび着物を身に纏うと、
そこはかとなく色香が漂い、女っぽい雰囲気に包まれるから不思議です。

人の内面からにじみ出るものを変えてしまう、
着物にはそんな不思議な力がありますよね。
もちろん、着物を着ることで、
動きに制限が加わり、否応なしに所作がしっとり、
しとやかになることも、その理由の一つだと思いますが、
さらに、着物姿が艶っぽく感じられるのは、
チラリズムのなせる業ではないでしょうか。

物事なんでもそうですが、
見えすぎてしまう・・というのは、
なんだか品がなく、興醒めなものです
洋服でも見せてはいけない物をチラチラさせるのは、
それが意図的なものであったとしても、
美しく見えるか、だらしなく映るか、その塩梅がとても難しい。

これがひとたび着物となると、
着物初心者であろうが、着物上級者であろうが、
チラリズムは美学となり、人の心を掴んでしまいます

襟元の半襟の少しの白。
あるいは刺繍、時には色で。
着物の下に着ているものを想像させる。
伊達襟(重ね襟)にいたってはその幅2㎜。
その存在たるや、言うに及ばずです。

抜き襟からチラリと覗く白いうなじなどは、
色っぽさの最たる部分ではないでしょうか。
お手入れの難しい部分ですが、着物を着るならぬかりなく。
背の高い男性からは丸見えですよ~~

袂や袖口から覗く長襦袢。
意識せずとも、人目につきます。
着物との色、柄の取り合わせで、
上品にも、粋にも着こなしの幅が広がりますね。

足元のチラリズムは、何と言っても八掛でしょう。
着物にどんな八掛をあわせるか悩むのは、
美しいチラリズムを意識しているからこそ。
歩くたび、ほんの少し翻る八掛は、
その色で着物の雰囲気さえも変えてしまいます。
訪問着などは、共八掛といって、
表生地と同じ素材で、刺繍や絵付けが施されていますよね。
人に見られることを大前提としたチラリズムの美学です。

階段を上がるときなど、足袋の上から覗く足首には、
女性でもついつい目が行ってしまいますよね
浴衣ならともかく、着物で生足が見えてしまうのは、
その言葉とおり、あまりに生々しすぎることもありますので、
改まったお席や礼装の着物には、身だしなみの一つとして、
膝下の着物用ストッキングを履かれることをオススメします。
チラリとする部分をさらに薄物で覆う慎ましさ。とでも申しましょうか

それにしても、なんとまぁ、
着物とは、あちらこちらをチラチラさせる衣装なのでしょう。
しかも、そのどれもが、奥ゆかしく慎ましやか。
色っぽくないはずがありません。
これぞ、究極のチラリズムです。
品よく、慎ましやかにお楽しみくださいませ。











お稽古には着物で・・を実践

土曜日は結婚式、日曜日は法事と、
ここ2、3日、イベント続きで帰りが遅く、
なかなかブログの更新ができませんでした。

今日は夜のお稽古に伏見からKさんが見えました。
玄関でお出迎えして、感激
今日はお稽古に初めて着物を着てこられました

普段のお稽古では「もう、いつでも着物を着てお出かけできますよ」と
太鼓判を押してはいたのですが、
Kさん、「いざ、出かけるとなると今一つ自信が持てないんです。
なんだか勇気が出なくて・・」とおっしゃっていたのですが、
とても綺麗に着られていました
普段のお稽古の成果が見て取れて、私も嬉しかったです。
もう、これですっかり自信をつけられたことだと思います

数日前のブログでも、お稽古にはぜひ着物で。
とお勧めしていましたが、着物のfirst stepを
「お稽古に着物を着ていく」ことにすると、
少しくらいの着崩れもOk。
時間が無くなったら、帯板を付けた状態のままでも大丈夫。
他所にお出かけとは違い、気軽に着物を着ることができます。

Kさんも、今日のお稽古は復習レッスンさながら。
「あ~~、それ忘れてましたっ」
そういう確認の積み重ねが熟練につながっていくんですね。
ご自身で着物のコーディネイトを考えるのも、
着付上級者へのstepですし、すでに楽しんでらっしゃるご様子。
着物好きに拍車がかかりそうです

次回のお稽古も、お時間があればぜひ着物でお越しくださいね。
楽しみにお待ちしていま~~す






ふくら雀 は親の願い

11月も半ばになると、
年賀状の案内やら、お節料理の予約広告やら、
世間では、もうお正月準備が始まっているようで・・・。
なんだか気忙しいですね。

実は、我が家には今年二十歳になった息子がおりまして。
年明けには成人式を迎えるわけなんですが、
羽織袴を着せてみたいと思う親心をよそに、
「スーツで十分」などと申しますのですよ。
息子とは、なんと味気ない
これが娘なら、振袖を着せて可愛い帯結びをしてと、
親にとっても、何かと楽しみなことがあるのですが・・。

私も遠い昔、祖母に振袖を買ってもらったのを思い出します。
当時、振袖の帯結びと言えば「ふくら雀」が定番でした。
今は、振袖の帯結びもホントに華やかになりましたね~~。
凝りに凝った帯結びは人目も引いてとっても豪華。
でも、よくよく見ると「ふくら雀のアレンジ」だったりするんですよ

きの和装学苑でも 「本科」カリキュラムで、
「ひらきつのだし」という名前の、
三枚羽根のふくら雀をご指導しています。
hiraki-tsunodashi.png

羽根が三枚になると、とっても豪華になりますね

「ふくら雀」とは、ふっくら太った雀のことを言うのですが、
漢字で書くと「福良雀」。なんとも縁起の良い文字ですよね。
実はこの「福良雀」、娘を思う親心が込められているんです。

昔、お百姓さんにとって、雀は田んぼのお米を食べに来る、
あまり有難くない存在だったようですが、
豊作の年には、雀が食べる程度のお米に、
そんなに目くじらを立てなくても良いじゃないかと、
お百姓さんも太っ腹な気持ちになるわけです。
つまり、太った雀は「豊かさ」の象徴だったんですね。

その「豊かさ」の象徴である「ふくら雀」を
娘の背中に背負わせて成人を祝うんです。
娘が食べるものに困らずに、豊かな一生をおくれますようにと、
そんな親の願いが「ふくら雀」には込められているんです。
謂れを知れば「ふくら雀」が
どれほど縁起の良い帯結びかわかりますね。

前結びなら、ご自分で「ふくら雀」が結べますよ。
ご両親から贈られた振袖をご自身の手で着ることができるなんて、
なんてステキなんでしょう
ご両親もさぞかし感激されることでしょう・・・。

はぁ~~~そんな感激とは無縁の私・・・。
生徒さんのご指導に精を出すといたしましょう














帯揚げの結び方 2種

今日は帯揚げの結び方についてです

一般的に一番よく結ばれているのが「本結び」
IMGP1522.jpg
着付け教室に行けば、必ず教えてもらえる結び方です。
でも、着付け教室によって結ぶ時の手の動きは様々。
私も、色々な着付け教室で帯揚げの結び方を習いました。
結局は、仕上がりの形は同じになるので、
その人が一番綺麗に結ぶことが出来る方法であれば
結び方はどんな方法でも良いと思うんです。
こだわりたいのは、仕上がりの美しさですから。

きの和装学苑では「チョキ・チョキ」で結ぶ方法をご指導しています。
木野テル子学苑長が、二重太鼓の結び方をyoutubeで公開していますが、
その時に、この「チョキ・チョキ」方式で帯揚げを結んでいます
あまりにも手さばき鮮やかで・・仕上がりも美しい
ぜひ動画をご覧ください。
http://www.youtube.com/user/soukekinowasou

最初は、目がテンになるかもしれません。
でも、枕に帯揚げをかける段階から、
最後の処理に至るまで、理にかなっていると言うのでしょうか。
いくつもの着付け教室を経験してきた私も目からウロコでした。
実際、慣れてしまえばとても綺麗に結べるんですよ。

この本結びの他によく目にするのが、
「いりく」結びではないでしょうか。
帯の中央で左右の帯揚げが重なるだけの結び方で、
振袖の絞りの帯揚げなどでよく見られますよね。
もちろん振袖以外の着物でも「いりく」結びはOKです。。

わかり易くお見せするために、多めに出しています。
IMGP1516.jpg

本結びよりも手軽なので、本結びが苦手な方は、
覚えておかれると便利かも知れません。

ただ、実際に「結ぶ」ということをしないので、
例えば、「結納」や「結婚式」など、
人のご縁を結ぶようなお目出度い席では、
縁起を担いで、しっかりと本結びにしてくださいね
万が一、帯揚げがほどけて、形がくずれたりするといけませんから。

帯揚げの美しい仕上がりには、
チョットしたコツがあります。
教室では、そんなコツもしっかりご指導しています。
帯揚げの仕上りが綺麗だと、着付けそのものも美しく見えますから、
しっかり練習して、綺麗な帯揚げ結びをマスターしてくださいね。








紋について

先日、お稽古の中で「紋」についての質問がありましたので、
今日は「紋」ついてのあれこれです。

まず・・・
紋の数が多ければ多いほど、着物の格は高くなります。

ミセスの第一礼装の黒留袖や喪服には、
紋を染め抜きの日向紋で5つ入れます。
どこに紋が入るか、ご存じですか?

背紋(せもん)・・・背中心に1つ。
抱紋(だきもん)・・両胸に1つずつ。
袖紋(そでもん)・・両袖の外側に1つずつ。

色留袖にも黒留袖と同じように比翼仕立てをし、
染め抜き日向5つ紋をいれると正礼装となりますが、
比翼仕立てをしない色留袖の場合は準礼装となり、
5つ紋はつけずに3つ紋を入れます。

黒留袖や色留袖は、一般的に三親等以内の親族が着る着物とされているので、
友人の結婚式などに、たとえ3つ紋でも色留袖を着て行ってしまうと、
親族の方と同格になってしまいます。
これはやはりNGでしょう。
1つ紋の比翼のない色留めなら、訪問着代わりにもなりますが、
そのような色留を誂える必要性って感じませんよね・・。
お客様として披露宴などに出席する場合は、
紋付の色無地か訪問着がおすすめです。

ではどんな時が色留袖の真骨頂となるのでしょう・・・
例えば、本来は黒留袖を着る立場にある方が未婚だったり、
結婚されていても、20代・30代の若奥様だったりする場合などは、
これぞ色留袖の出番と言えます

1つ紋付きの色無地や鮫小紋は、
入学・卒業式、お茶会などでも重宝します。
着物自体に派手さはなくとも、上品で格の高い装いに。
紋を入れるだけで、略礼装としての役割を果たしてくれます。

では、女性の着物にはどのような紋を入れるのか・・ですが、
これは、地域によって習わしが違うようです。
ただ、関西の場合は女性は母方の紋を代々受け継ぐのが一般的です。

紋には男紋と女紋があるのをご存じでしょうか。
男紋というのは、通常「家紋」と呼ばれるもの。
関西では、この男紋を女性の着物に入れることはしません。
嫁入り支度として着物を準備する場合は実家の女紋を付けるのが一般的です。
あるいは、女性なら誰でも付けることができる、
五三桐(ごさんのきり)を入れるのが通例です。

五三桐(ごさんのきり)は定紋とも言われ、
貸衣装などは、すべて五三桐ですね。
個人的には、誂えた着物に、わざわざ貸衣装と同じ紋を入れなくても・・
と思うのですが、貸し借りの点では五三桐はやはり重宝ですね。

結婚してからであれば、婚家のお姑さんの女紋を付けることもありますが、
お姑さんの女紋が不明だったり、
五三桐(ごさんのきり)を入れられている場合、
実家の女紋を入れることが多いようです。
これは、もちろん婚家との兼ね合いもありますが、
私は、ずっと実家の女紋を受け継いで入れています。

着物に紋が1つ入っているだけで、
ドヤ顔で、出るとこに出られるのが紋のスゴイところ。
でも、紋を正しく有効活用するためには、
「使用上の注意」もしっかり押さえておくことが大切ですね。










お茶席にふさわしい着物

昨日は、お茶の炉開きでした。
炉開きはお茶の世界ではお正月と言われるお祝いの日。
少し改まった気持ちで付下げを選びました。

晩秋にふさわしい抹茶色の付下です。
もちろん、こんなおめでたい日は袋帯の二重太鼓で。
無0題

お茶席の着物にはいくつか決まりごとがあります。
やはりわびさびの風情を大切する意味でも、
結婚式や披露宴に出席するような派手な装いは避けます。

長襦袢の衿は白。色半襟はしない。
伊達衿はしない。着物も派手なものは避ける。
何かの拍子にお茶碗を傷つける恐れのあるものは身に付けない。
時計や指輪は当然のこと、かんざし、帯留めなどもご法度です。
長い爪も、お茶碗の繊細な絵付けを傷つける恐れがあるので、
短く切りそろえたほうが無難ですね。

それと・・「わびさび」の観点とは違った意味でも、
裾模様に繊細な刺繍があったり、
金彩や引箔、絞りなどが施されている豪華な訪問着や付下げは、
お茶席ではお召しにならない方が・・と思います。ハイ。

というのも、お茶席では「にじる」という動作がつきものだからです。
「にじる」というのは、座ったまま膝を畳にすりつけながら、
前に出たり、後ろに下がったり、左右に移動したりする動作なのですが、
お点前の亭主なら、正面(手前座)から、
お客様の方(客付)に向いたりする動作を頻繁に繰り返します。
お客で席入りした場合も、最初に膝をついて、にじって座敷に入ります。
お正客であれば、お茶碗を取りに出たり、
拝見物を返したりするときに、ひざ下を畳に摩り付けて移動します。

もし、裾模様に刺繍や金箔、絞りなどが施されていたら、
摩擦で糸が切れたり、箔がはがれたり、絞りが伸びてしまったり・・
濃い色の色無地でも、にじる動作を頻繁に繰り返せば、
着物の表面が擦れて、白っぽく毛羽立ってしまう程です。
着物にとって、にじるという動作はかなり過酷な動作なんですね。

お茶席で裾模様のある訪問着や付下げなどを着る場合は、
膝より下の裾模様に凝った細工のないものがおすすめです
この日の私の付下は、膝より上に引箔と刺繍が施されているもの。
裾は染め模様になっていますので、毛羽立ちも目立ちません。

着てみたい着物と、その場にふさわしい着物と
時と場合によって違うんですね。
その場に居合わせる方に対しての配慮も必要。
でも、着物にもちょっとした配慮をすることで、
大切な着物を長~~く楽しむことができますよ。
着物や帯は「出会い」だとよく言われます。
せっかく出会った着物ですもの、たっぷり愛してあげましょう






手作り帯留め

手作りの帯留めを作ってみました。

こんな帯留め金具が手芸屋さんで売っています。
大体400円前後でしょうか・・・。
IMGP1475.jpg IMGP1477.jpg


帯を仕立てた時に、残布がついてきますよね。
その残布を利用して帯留めを作ります。
西陣織の帯留めなんて、ちょっと素敵でしょ
無題


金具上部を丁寧に残布でくるみ、足のついている方には強力ボンドを塗ります。
IMGP1479.jpg

合体させて、ハイ出来上がり。
IMGP1481.jpg


色々な帯の残布を利用して作ってみました。
IMGP1483.jpg
金具を買ってから気づいたのですが、
金具によって、帯締めを通す金具の幅が違います。
一番細いタイプは二分紐用。
残念ながら三分紐は通せず・・
手持ちの帯締めの太さを考えて金具は選ばないといけませんね。

ささやかですが、教室に来てくださる生徒さんの、
入会プレゼントにさせていただこうかと思っています。
帯留めで、着物のおしゃれの幅を広げてくださいね。


着物マジック

一昨日、レスリングの吉田沙保里選手が国民栄誉賞を受賞されました。
女子世界選手権で10連覇、さらに13大会連続世界一を達成。
日々の涙ぐましい努力の賜物だと思います。
本当におめでとうございます。
http://www.jiji.com/jc/d4?p=grc804&d=d4_oldnews

テレビでも授賞式を見ていて、その美しさに目が釘付け。
着物って、本当にいいものだなぁ。と思いました。
普段の活発な吉田選手からは想像もつかないくらい、
所作もしっとり、物腰もやわらかく・・・。
これぞ着物マジック。
着物を纏うということは、こういう変化を人にもたらすんですね。

先日の秋の園遊会でも、吉田沙保里選手はあでやかな振袖姿でした。
http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012102501001566.html

美智子妃殿下もなんと上品な佇まい。
年齢を重ねてもなお、着物姿は人を美しく見せてくれます。

昨年の園遊会では、サッカーの澤選手の姿がありました・・。
球場での澤選手は本当に素晴らしい活躍をされましたが、
振袖姿の澤選手はほんとに綺麗で、見とれてしまいました。
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011101301000502.html

着物って、ほんとに素晴らしい。
洋服ではこうはいきません。
どんな高価なシャネルスーツも、
着物姿の横ではかすんでしまいます。

色々なシーンで、着物は何割増しにも女前を上げてくれます。
着物マジックにあやかって、どんどん着物を楽しみましょうね



抜き襟の美しい形

みなさんは、美しい抜き襟にするために苦労されていませんか?

よく、長襦袢の背中に、抜き襟布がついていたりしますが・・
こういう感じの、後衿の中央を真下方向に引っ張るタイプではありませんか?

IMGP1473.jpg

後ろ襟を真下に引っ張ってしまうと、
後ろ衿中央がV字にとんがった形に抜けてしまいます。
いくら、背中心をグイグイ引っ張っても美しい抜き襟の形にはなりません
抜き襟の美しい理想の形は、衿肩開きからカーブを描く形。
つまり、衿肩開きを斜めに引っ張ることが美しい抜き襟を作るコツなんです。

きの和装学苑オリジナルの「長襦袢ゴム」は、上部が山形にカーブしています。
長襦袢ゴム 2枚入り税込315円
17919159.jpg
この山形部分の延長ラインが、衿肩開きに力が加えられるように設計されているんですね。
衿肩開きを引っ張っることで、美しい抜き襟の形になるんです

画像をクリックして拡大してくださいね。

explain.png

縫い付け方も簡単。長襦袢の衿下から、親指と人差し指を広げた位置に縫いつけます。
160cmの方は17cmほど、148cmの方は15cmほどが目安です。
これで、長襦袢ゴムにコーリンベルトを通すと、衣紋がキレイに抜けますよ

point02.png
1.待ち針を3か所に刺しておきます。
2.ゴム上部横の穴部分を通すように縫いはじめます。
3.図の番号通りに1~16番まで糸を縫いつけていき、最後に糸の始末をしたら完了です。

教室では、さらに長襦袢に優しい縫い付け方をご指導しています。
長襦袢の着付けは、単位制レッスンでも受講できます。
お気軽にお問合せくださいね。

私は、この長襦袢ゴムを手持ちの長襦袢に全部縫い付けて、
どの長襦袢を着ても、美しい抜き襟になるようにしています。
今お使いの長襦袢ゴムは、上部がまっすく直線のタイプではありませんか
美しい抜き襟は、長襦袢ゴムの山形カーブがポイント。
きの和装学苑オリジナルの長襦袢ゴムをぜひお試しください


半幅帯のすすめ

皆さんは、普段、どんな帯結びをされることが多いでしょうか。

名古屋帯で一重太鼓、
礼装、正装には、袋帯の二重太鼓が一般的だと思いますが、
半幅帯のバリエーションもいくつかマスターしておかれると、
イザと言うときにとても便利です

きの和装学苑の本科コースでは、
「れんげ」「恋文」という名前がついた、
とても素敵な半幅帯の結び方をご指導しています。

「れんげ」真ん中に飾り紐をあしらって。
れんげ

「恋文」
恋文


きの和装学苑の公式ホームページでも、苑長自ら
youtube動画でとっても粋な帯結びをご紹介しています。
「二段のしめ片ばさみ」
http://www.youtube.com/watch?v=FvihMw2DaMg&list=UUGsRlOCjAiltDQulDklk37Q&index=6&feature=plcp
仕上がりのアップ。カッコイイでしょ
研修のときはこの帯結びが大活躍。
二段

半幅帯の良いところは・・・
帯締め、帯揚げを使わずに結びますので、とてもお手軽。
お太鼓のように、仕上がりの形に精密さを求めなくても良いので、
時間のないときなどは、サッサッサッ。アッと言う間に結び上がります。
普段着の着物はもちろん、夏は浴衣にも結ぶことができます。

私は講師研修に行くときなどは必ず半幅帯と決めています。
研修先で、すぐに長襦袢1枚にならないといけませんし、
あれこれ着付指導を受けた後は、後片づけもして、
限られた時間で帰り支度をしないといけないので、
帯揚げやら帯締めやらでモタモタしている暇がないのです。
半幅帯なら帯1本でOK。枕も帯揚げも帯締めもいりません。
数十秒で帯結びができてしまうのでほんとに助かっています

実は、旅行に行くときも半幅帯はオススメなんですよ。
長時間の乗り物移動でも、帯の崩れが気になりませんし、
たとえ崩れても、手直し、結び直しが簡単です。
飛行機などでは、気圧の加減で胸が苦しくなったりしても、
半幅帯なら、その場で簡単に帯を緩めることができます。
お太鼓ではなかなかそうはいきませんよね・・。

鞄の中に入れるときもコンパクトに収まり、
畳みじわも気になりません。
旅先での2本目の帯としてお持ちになると何かと重宝ですよ

「着物1枚帯3本」の1本に、
ぜひ、半幅帯を取り入れてみてください。
着こなしの幅がグンと広がること、間違いなしです





帯締めの柄はどちらに?

今日は・・あっ、もう日付が変わってしまいました
もとい、昨日はお茶のお稽古に行ってきました。
11月に入ると、風炉から炉のお点前に変わります。
11月の第1回目のお稽古は「炉開き」のお祝いの予定だったのですが、
今日は都合がつかない社中さんが多く、炉開きは来週に延期になりました。
炉開きのお祝いには付下を着ていくつもりでしたが、
今日は茶箱手前の練習に変更になったので、
着物は四季柄の小紋と秋らしい柄の塩瀬で。

塩瀬はとても便利な帯です。
袷の季節はもちろん、単衣の季節、
6月初旬~中旬と、9月中旬~下旬にも結ぶことができます。
染めの名古屋帯ですから、小紋などの普段着に。
ちょっとツルツルした生地なので、
お太鼓や垂れがずれやすいので、
帯締めはしっかり結んでくださいね。

先日、帯締めの裏と表のお話しをしましたが、
今日は、帯締めの右・左について。
帯締めには、全体に柄があるものもありますが、
左右に柄が割り付けらけているものも多くありますね。
1本の帯締めの片方は無地で、もう片方に柄があるような・・。

お太鼓の中に帯締めを通す時、
柄のある方から通すか、無地の方から通すか、
意識されたことはありますか?
帯締めの通し方によって、こんな風に2通りの仕上がりになるのですが・・。
これが、どちらでも良いというわけではないのです。
さて、正しいのはどちらでしょうか

   ①帯締めの柄が体の左側にくる                  
IMGP1471.jpg

  ②帯締めの柄が体の右側にくる
無2題

正解は①帯締めの柄が体の左側にくるんです。                  
これは、着物は左が格上と覚えておくと間違えませんよ。
着物の衿は左が上前ですね。
留袖も袖表の絵付けは左側にしかありませんね。

帯も、飛び柄(ポイント柄)のものは、
胴の中心より、少し左寄りに絵柄が来るように結ぶのが通です。
同様に、帯締めも体の左側に柄が来るように結びます。

身体の左側に柄が来るように結ぶには、
お太鼓の中に帯締めを通す時、
前結びなら、右から無地のほうを先に通します。
IMGP1466.jpg

結び上がりです。
IMGP1464.jpg

このような細かなルールは、
知らなければ知らないで、着物は着てしまえるのですが、
どうせなら、あえてなことは避けたいもの。
特に、お茶席ではこのようなしきたりが重んじられますので、
お茶をされている方は、特に意識してくださいね

お茶席の着物については、他にもいろいろ心得ごとがあって。。
そうですね、また、後日そんなことも・・・。
今日はこのへんで。おやすみなさいませ







着付のお稽古には着物で

とうとう11月に入りましたね。
ほんと、急に寒くなって道行く人たちの服装もすっかり冬服に。
これからの季節は、着物も道行や道中着など
防寒対策が必要になってきますね。

この季節になると、生徒さんにおすすめしていることがあります。
「着付のお稽古に、着物を着て行くこと」です。
「着物を着られないから、着付を習っているのに?」と思われるかもしれませんが、
着物の着方まで一通り習い終わった頃から、とにかく自分で着てみること。
この積み重ねがとても大切です。
お仕事帰りのお稽古や、時間に余裕のないときは無理かもしれませんが、
時間の余裕のあるときにはぜひ着物で

綺麗に着ていなくてもOK。順番が違っていてもOK。
シワがあっても、あちこちずれていてもOKです。
着物に戸惑ってしまって、帯を結ぶ時間がなくなってもいいんです。
そう、コートを着てしまえば誰にも分かりませんから。
この季節に「着付のお稽古に、着物を着て行くこと」を
ぜひお奨めするのはそういう理由からでもあるんです。
せっかくのコートの季節を、着付上達の味方にしてくださいね。

もちろん、いったん外に出たら・・・・、
とにかく、お稽古場所までたどり着いてくださいね
お稽古場所でコートを脱いで、あらまぁな着物の状態に
目がテンになってしまう先生もいらっしゃるかもしれませんが、
私なら、目がテンになるどころか、
「オッ。頑張って着て来られましたね!」と嬉しくなります。

お稽古に着物を着ていくことをお奨めするもう一つの理由は、
先生に、自分の着付の現状を見てもらえること。
何処が上手くできて、何処ができていないのか、
その方の苦手な部分を見て取れるので、
より効果的なご指導をさせていただけるんです。

お稽古で着物を綺麗に着付ければ、お帰りはバッチリの着姿に。
そのままお出かけだってできますよ

そうして回数を重ねるうちに、だんだんと手が慣れて、
そのうち、「あらぁ、今日はとっても綺麗に着られてますね~~」
と、そんな日が必ずやってきます
お稽古には、どうぞ気楽にお着物でどうぞ~~





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プロフィール

谷内

Author:谷内
宇治と京都市内で、きの前結びの着付け教室を開いています。
簡単、早い、綺麗の前結びなら、どなたでも楽に着付ができます。タンスに眠っている着物で着物生活を楽しみましょう。
随時 無料体験教室を開いています。お気軽にご参加ください。

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